博多大黒流
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赤不浄・黒不浄

山ば知らん人は「山笠の始まる前にお酒ば飲んで景気ばつける」・・て思う人のおらっしゃあでっしょうばってん山の前に酒飲んだら怪我します。
怪我して血ば流したら山に近づくことはでけません。
以前、山の詰め所の前には「不浄の者立ち入るべからず」の立て看板が立ちよりました。


山笠はお神様の行事やけん血ば流すとは「汚れ」て忌み嫌います。
前述のごと怪我して血ば流したり、おなごの人は月のものがあり、「不浄の者」て言うて以前な詰所への立ち入りさえも禁止しよりました。
現在も女性が直接山笠に触れることは遠慮していただいとります。

黒不浄
また「黒不浄」とは死を忌み嫌うという事で家族に不幸があれば「喪」に服すけん喪が明けるまでは山に近づくことはできまっせん。
山笠人形師も身内に不幸があれば人形制作ば受けることは遠慮します。

これが「赤不浄・黒不浄」です。

ばってん今頃おなごの人ば「不浄の者」やら言いよったげんたいおおごとです。直会の炊き出し、洗濯物やら影で切り盛りしようとが女性です。山に出る男どもの方がよっぽど「不浄のもん」やったりして・・
「婦人会」て言うてもおごられます。「女性部」て言わないきません。「女」ば「掃いて捨てる」て言う意味・・て言われますばってん
それはちょっと考えすぎやなかろうかて思いますが・・・
もともと「婦人」は「身分の高か女性」ていう意味らしいけんですね。ましてや現代では男女同権問題でそげなこと言い寄ったげんたい訴えられます。
  

もうかなり前から山の詰め所の「不浄の者立ち入るべからず」の立て看板は廃止になっとります。

外から見れば「女性蔑視のお祭り」て言われますばってんそれは山に携わったことの無か人たちの勝手な意見であって実際、博多の男共は「ごりょんさん」に頭は上がりません。締め込みもしてもらわないけまっせんけんね。
昔はごりょんさんに山で迷惑ばかけたけんてお返しに秋まつりの「放生会」に着ていく「放生会着物(きもん)」ばこしらえてやりよったほどです。
小学校までの女の子は今でも山へ参加しております。まだおなごでなくて女の子やけんです。
ばってん最近の子供は発育の良かけん小学生でもプリプリしとります。
「おいあいつ尻の丸ぅなってきたけんそろそろ控えさせやい・・」ということになります。

それでなくても一時は「ロリコン」サイトで格好の餌食になり、写真が公開されております。
世の中にはふとどきもんのおるとです。

一方、「黒不浄」は今も引き続き守られます。親、兄弟なら1年間、二親等なら半年の喪の間は山へ出るのは控えます。
詰め所への立ち入りも遠慮します。この1年の辛い事・・なぜなら山は1年に一回しかやってこんとです。
不幸が続いたら、2年も出られん・・これは辛ろぅございます。
ばってん身内の不幸ごとは誰しも避けては通られんでけごとです。今年もその寂しさば体験する人もおるでしょう。

喪が明けたらまた輪ばかけて山笠に精進するとです。

追善山笠
山では功労があった人のために「追善山」ばして故人ば偲ぶという行事もあります。個人の家まで山ば持って行き「祝いめでた」ば唱和して手ば入れます。
亡くなった方に「祝い唄」ていうとは可笑しいて思われるでしょうばってんが、博多のもんにとっては山持ってきて貰うて祝いめでたば歌うて貰うとは最高の名誉でありますとよ。


 

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