博多大黒流
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山笠豆知識(大黒流編)

 (意外と知らないマニアックな山笠豆知識・・・大黒流編)

【のの字】
舁き山笠が回るときは全て右回りで回ります。
櫛田入り、東町寺、承天寺の3つの清道を回るのを見てもわかります。
右手から山がやってきてある家を追善で訪れ左に出て行く場合は家の前でくるりと右回りにのの字を描いて出て行きます。
 
【招き板】
子供たちが前走りで持っている招き板、あれは前方から山を招くと言う意味かあります。前を向いて走っているときは字が書いてあるほうを後方(山のほう)に向けて持っています。角に来るとくるりと後ろを振り向き山へ招きの字が見えるように向けて招きます。早く来い早く来いという意味なのです。
子供の頃は招きで法被の肩が墨で汚れるとがステータスやったとです・・・・
決して皆さん何番山何流が来ますよと観客へ向けているのではないのです。ばってん最近は日本ば代表する祭りぃなったけん振興会から見せる山笠へのサービスの指導もあり、前へ向けて持つごと変わりつつあります。
バッテン強制ではありません。
各流各町に持ち方はゆだねられております。
 
【入り軒】
大黒流の場合、山笠は決して後ろへバックすることはありません。
上記の、のの字を描いて向きを変え進行方向に前を向けて走ります。
「流舁」では流区域内ばくまなく回り表飾りも見送り飾りもすべて見せるごと引き返すときは「押し回し」ばして戻ってきます。
その例外が「入軒引返し」です。
立て筋で土居流との境まで舁き入れた時はそのまんま後ろ向きに戻ってきます。
土居流に敬意を表してお尻ば向けんでそんまんまバックで戻ってきます。
昭和の町割りが完全に「ブロック制」でなく、流の境目が現在も縦筋の途中にある場所で、入軒が残っとります。
大黒流では流舁で川端中央街飾り山まで(その上手の方は上新川端で土居流)と寿通(同じく)の2箇所で
入軒引き返しばしよります。
どちらも土居流との境目に当たります。
大黒流は通年は土居流方向の横筋には入り込まんけんここだけが入軒の場所になります。
ばってんが古ノ一の当番年は当番祝儀で区域内ばすべて舁き廻りますばってんが土居筋からの入軒まで入り込んでも引き返しはせんで押し回しして戻ってきます。
土居流と大黒流の流儀の違いで土居流(行町、濱小路)は縦筋の流、大黒流は横筋の流、大黒は横筋では自分の領域て言う意味合いで押し回しばします。
ばってん、例外として、押廻しをするには道幅が狭い場所では流内でも入軒ばすることもあります。
しかし追善山だけはどんなに道幅が狭くても押しまわして向きば変えます。
 
【ヨイヨイ】
道幅がせばか場所で追善山ばして押廻しばしたげんたい、危険な場合もあります。用心してゆっくり山を動かすこばとば「ヨイヨイで持って行きやい!」となるわけです。
 
【台幕】
山笠の杉壁の下、棒との間に幕が巻いてあります。
山の動きよるときは、青い幕、山ば据えとう時は赤い幕です。
いつも動かん飾り山は赤い幕ばつけとります。
今度、よ〜と見てください。
また山の見送りにさしとう旗(しなえ)も同じくです。
動く時は青旗、据え山の時は町総代と取締の名前がついた赤旗です。
 
【山笠の向き】
舁山は多くが山小屋に格納されとりますが表と見送り(後)のあります。
表は全て櫛田神社の方に向いとります。
また大黒流では山小屋から前に舁出し帰ってくるときは必ず山小屋の後ろから帰ってきます。表から帰らないかん町内でもいったん山小屋ば通り抜けて押し回しして見送りから山小屋に戻ってきます。
山の裏側は裏とは言わず「見送り」と呼びます。
 
【勢い水】
勢い水ははどんどんかけてつかぁさい・・・
これは自分の不浄ば水と共に山へかけてもって行ってもらうという意味からです。御神入れされた山笠は神聖なものなのでこういういわれがあるのです。しっかり山へ水をかけましょう。
 
【胡瓜断ち】
祇園さんの紋が胡瓜の輪切りに似とうけん祇園の期間は胡瓜を食べんとは有名な話ですが実は祇園の紋(織田の紋)は木瓜(モッコウ)紋です。
この木瓜ば「きうり」と間違って呼んだことから胡瓜は食べんというしきたりが始まったという説もあります。
ばってんがやっぱり山の間は胡瓜は食べんやね・・・
一年で一番美味しい時期の胡瓜ば断ってまで山に精進するという意味の方が大きいとです。一番好きなものば控えて・・・
一ば好きなとは他にもありますバッテン・・これは守りよるかいな?
 
【棒上台上り】
山笠ばようと見てください。櫛田入の台上がりは腰掛けとります。
しかし10日の流舁、11日の朝山の台上がりは棒の上に足ば組んで乗っております。
大黒流では11日の朝山までは杉壁ば引かずに棒の上に直接台上がりします。これは慣れんもんにとっては非常に痛いものです。
もちろん台上がりする前は体ば勢い水で清めてから上がります。
最近棒の上に座る台上がりの作法ば知らんもんが増えてみたむない(みっともない)台上がりが増えております。
台上がりばさせてもらうとは大変な名誉です。事前にしっかりおそえてもろうてください。
腰掛けやないけん上がりとうないやらもってのほかですバイ。
台上がりは棒の上に脚組んで上がるとが当たりまえ。
それが出来んごとなったら「あ〜たそろそろ引退やねえ」と言う意味です。
杉壁を引いた後でも大黒流は各町を当番町が迎える手打ちは
棒の上に座って各町ば待ち受けます。
誰や?もうちょっとぎりぎりに手打ちに行ってしびれさそうやら言いよるとは?
 
【追山の提灯】
大黒流は追山と追山馴し以外は全て当番町に12カ町が揃って山がスタートします。山小屋には各町の札がかけてあり揃った町から木札ば裏返して確認します。
どこちゃ言わんバッテン以前手打ち時間になってもやってこん町内のありました。
山は舁きださんで揃うとば待ち続けました。
大黒流は12カ町が揃って初めて舁きだします。
※この日この町内は11ケ町に酒三升もって謝りに走ったとは周知の事実です(^^)/
ばってん、12日の追山馴しと15日の追山だけは冷泉の山据えに集合します。
まだあたりは暗闇、提灯ばつけてオイサオイサと集合します。
揃った町から山に提灯ばぶら下げて各町が揃ったことば確認します。
各町の提灯は当番町が預かり、追山行事が終わった後全ての町に
お礼の挨拶に回るときに返却されます。
追山行事だけでなくこういう風景もまた良いものです。
当番町の後ろからは来年の当番町が「来年もよろしく」と11か町に
挨拶ばしてまわり山が終わるとです。

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